【サジーの産地】日本から遠く離れた内モンゴルの砂漠地帯で自生するサジー

サジーの産地は中国、モンゴル、カナダ、ロシアなどたくさんあります

サジーは7000万年〜2億年前から生息していると言われている植物です。
ユーラシア原産で、中国やモンゴル等の高山や砂漠、寒暖の差が激しい地域にも生息する「グミ科」の生命力の強い植物です。

サジーは世界中に分布していて、6種類、12亜種が存在しています。
バラの品種が何万種もあるように、サジーも種類によって、成長した背丈や果実の大きさや色、形状、成分などの特徴が異なります。

中には、色が薄く、大味なものもあり、当然栄養価は違ってくるようです。

ここでは日本サジー協会(サジーの普及に力を入れている団体)が「最高品質」と認定している「ビコアサジー 」の産地「内モンゴル・蛮漢山」を紹介します。

 

 

サジーは厳しい環境の中で育つから栄養がたっぷり

サジーの特徴の一つに「砂漠地帯でも生きていける」というものがあります。
普通植物は水と太陽の光がないと発育しないものですが、サジーは「厳しい環境だからこそ生きる」というちょっと変わった性質を持っています。

例えば最高品種ビコアサジーの生息する内モンゴル自治区は年間降雨量が400mmだと言われています。

日本で時々「1日の降水量が100mmを超える」というニュースを聞きますが、内モンゴルでは日本の数日分しか雨が降らないのです。

当然大地はひび割れて、他の植物は育つことができず砂漠化していきます。
そんな中、サジーは「ぷるぷるに潤った果実」を実らせるのです。

カラカラにひび割れた大地に、サジーは生きています

 

モンゴルはとてつもなく寒い!

モンゴルといえばお相撲さんのイメージも強いかも?
日本人と割とよく似た顔だけど大きくて強いイメージですね。
慣行的に言えば「スーホの白い馬」のイメージから「平原と馬」「色鮮やかな民族衣装」や「丸いテント(ゲル)」かも知れません。

実は最近、近代化も進み、中心地のフフホト市などは高層ビルやマンションが立ち並んでいて「ここは東京?」と思うような場所もあります。

そして、とにかく寒い。
冬場は北部や高地では-40℃にまで達します。
日本の豪雪地帯でも、なかなかここまでは下がらないかも知れません。平均でも最高気温は-5℃、最低気温は-15℃くらいです。

冷凍庫の中は-18℃ほど。
その中にしばらくいたらどうなるか??
考えただけでも恐ろしいですね。

 

寒暖の差も激しく、雨も降らない。内モンゴルの気候の良い時期はとても短いです

 

サジーの自生地、蛮漢山(ばんかんさん)は乾いた砂漠の高山

近代化の進む街中とは違って蛮漢山は町から離れた高地で、住む人もほとんどいません。

カラカラに乾いた大地はひび割れ、風で砂が舞い、晴れ渡った空を隠します。
この砂が日本にも飛んでくる「黄砂」の原因の一つにもなっています。

私たちの「寒い」というイメージは「雪がしんしんと降る豪雪地帯」ですが、ここ蛮漢山は一見「カラッと腫れて良い天気」のような印象も受けます。

良い天気の理由は「雨が降らない」から。
気温はマイナス40度にもなるのに、水分が大気中にないので滅多に雪は降りません。
カラカラにひび割れた大地が続くだけ。
私たちには想像がつかない「氷のない、極寒の世界」なのです。

凍りついたサジー
一年に数回、雪が降ることがあります。雪というより「樹氷」ですね。空気中のわずかな水分で枝が凍りついた光景。内モンゴルではあまりみることができません。

 

 

サジーはなぜ、こんな環境の厳しい場所に育つの?

サジーは乾燥、はげしい寒暖差、紫外線の強い場所になぜ育つのか?
世界中でそのことは研究者の興味をそそぎます。

ロシアや中国などでは国を挙げてサジー の研究が進んでいますが、まだまだ謎が多いのが事実。299種類もの栄養素と呼ばれていますが、私たちがまだ発見していない「新しい栄養素」が含まれている可能性もあるようです。

 

サジーが厳しい場所で生き抜くことができるのはその特殊な能力にある

研究によりサジーの根には放線菌『フランキア』が共生していることがわかりました。放線菌というのは

  1. 空気中の窒素を取り込む
  2. アンモニア化合体窒素に変換する

菌のことで、アンモニア化合窒素は「サジー自身が生息するための肥料」となります。つまり何もない空気中から自分の生きるための栄養を作り出すことができるのです。

なので栄養のない「やせた土地」にも生きていけるのですね。